最近保護者の方とお話しをしていると、CHOICE!!は丁寧に子供を見てくれていると評価していただくことが多く、本当にありがたいなと感じています。

「面倒見のよさ」はCHOICE!!では重要なキーワードとして捉えています。

ですが、この「面倒見のよさ」は解釈が分かれる言葉だなと感じています。

子供の横に座り、つきっきりで指導するとか、「この問題が解けるまで帰らせない」みたいな、ずっと塾に居残りさせてやらせるとか、先生が子供たちに対してとにかく世話を焼くことが面倒見のよさという解釈が多いのかなという印象です。

昔ながらの学習塾とか、厳しい指導を売りとする塾ではこれらを面倒見のよさと定義しているのかなと思います。

もちろん、結果的には厳しく教えても成績が上がれば子供たちも納得できるし、保護者の方も安心して通わせられるのだと思います。

ですが私はこのような事は良いか悪いかは関係なく、「したくない」派です。

理由は2つあります。

1.自分をマネジメントする力が育たなく、他人に依存する。

2.勉強に対するモチベーション、目標は個人差がある。

私の塾に相談に来る人は、ほぼ全員が勉強で困っている人です。

様々な理由があり勉強に前向きになれていない人が多く、勉強をする習慣がない人ばかりなので、成績を上げるためには勉強法も大切ですが、勉強量も増やさなければいけない場合がほとんどです。

そこで毎日塾に来てもらう、遅くまで居残りしてもらって指定したページが終わるまでやる、暗 暗記が終わるまで家に帰っちゃダメ、これらをいつもやっているのが一般的な面倒見の良い塾のイメージかなと思います。

ですが、勉強の主役はあくまで学生本人です。

親のため、先生のために勉強をするわけではなく、自分の達成したい目標のために勉強をするのです。

そのために必要な勉強量を逆算し、スケジューリングし、結果を振り返ることで次の目標を設定すべきです。

「そんなのは綺麗事だ!現実は違う!」と言われそうです。

「現実はそういう自己管理ができないから先生が手取り足取り指導するしかないんだ!」

そう言われそうですよね。わかります。

私が指導するうえで大事にしていることは

子供の現在地点に合わせて徐々にサポートの内容を変えていくことです。

例えば、CHOICE!!に入塾した人の多くは、最初は勉強嫌いだったり、勉強の仕方がわかっていなくて結果が出ていない人が多くいます。そのような生徒に「自立して勉強しなさい」と言っても、それができなくて困ってるから塾に来たのに…となりますよね。だから最初は勉強のハードルが下がるように工夫して指導したり、勉強方法を手取り足取りレクチャーします。言い換えると目標を達成するための「手順」を指導します。ここまでは一般的な塾と同じかもしれません。

ですが、ある程度うま進み始めたらその手順を子供たちにマネさせながら自分流にアレンジしてもらいます。

正直、最初はうまくいかないときもあります。今まで先生や大人にすべて聞くことが当たり前だったような人は特に苦戦します。

ですが、徐々に慣れてくるとそれが当たり前になっていきます。

具体例を紹介します。

今通ってくれている高校1年生の子がいます。

彼は中学2年生の時にウチに入ってきて、テスト勉強のスケジューリングを逆算式に考えて、なにをいつまでにやるべきなのかを視覚化し、目標に向けてコツコツ取り組む方法を教えました。当時は紙のワークシートを渡して記入してもらいながら勉強を進めていました。無事に高校にも合格し、ある時テスト勉強の様子を見てみると、パソコンを取り出してなにか記入していたので、「なにやってんの?」と聞いてみると、「パソコンで勉強の進捗を管理しています。」とのこと。

写真は実際に生徒が作っているワークシートです。

まさに彼は過去の成功体験を元に自分流にアレンジして学習を進めています。

もちろん結果も出していて、数学は学年トップレベルを維持しています。

彼も最初はやり方、進め方がわからず漠然となにか頑張らなきゃと思って塾に来てくれました。

そして、中3の夏から秋にかけてだいぶ勉強も軌道に乗ってきて、少しずつサポートの仕方も手取り足取りではなく、見守る方向にシフトしていきました。結果、私からなにも言われなくても「ワークシートください」とか「この勉強の進め方はこんな感じでやってみます」といったような言葉が出て来て、自分の力で進み始めました。極端に言うと私がいなくても勉強を進めることができたのです。(もちろん勉強でわからないことや、進め方の相談はたくさんしてくれています。)

最短ルートで点数が上がる勉強法のような方法論を唱える書籍やYoutubeの動画がたくさんありますよね。

でも、その方法で勉強して、みんな点数あがるのでしょうか?高校生を見ているとよくそのような情報を集めて勉強している人も見かけますが、現実上がっていないからみんな苦労しているわけですよね。

最善の勉強方法は自分の中にしかないと思っています。それを探すために試行錯誤が必要です。

先生に言われたことをただやるだけ、それだけでは思考停止です。いつまでも先生がいないとダメな人間になります。過去の自分と向き合い、どうすれば成長できるかを模索し、自分の成功法を確立していくことができれば、大きな自信になります。自己肯定感と言い換えてもよいかもしれません。それによって高校や大学、そしてその先の人生でもあらゆる事に対して能動的に考え、行動できると思っています。

とはいえ、最初から失敗の連続だとさすがに「自分はバカなんだ」とメンタルがやられちゃう人がほとんどだと思います。

目標を達成できるように指導するためには、メンタル面のサポートが重要だと考えています。つまり勉強へのモチベーションです。

モチベーションには内発的動機づけと外発的動機づけの2種類があると言われています。

内発的動機づけとは、ある行動が楽しい、面白いといった理由で自発的に取り組むことです。好きな漫画を読む、体を動かしたいからスポーツをするといった場合にあてはまります。一方、外発的動機づけとは、何らかの報酬を得るために、または罰を避けるために行動することです。お金のために仕事をするとか、落第したくないから勉強するといったように、その行動とは別の目的のための手段になっています。

昔は外発的動機づけ、つまりアメとムチが大切でした。今でも外発的動機づけは有効な場合があります。次のテストで80点とったら新しいスマホを買ってあげる、逆に平均点以下ならスマホを取り上げると言われれば多分勉強しますよね。(笑)

人によってはこういった先生によって動機をつくってあげたり、環境を整えてあげるべきです。

私も生徒や状況によっては「家でできないから塾に残ってやろう」「今日はしっかりここまで終わらせよう」と少し強制力を使って指導することもあります。

外発的動機づけは勉強をするキッカケにはなると思います。

それによって成果が出るととても嬉しい気持ちになります。

成果が上がると、今度は「成績をこれ以上落としたくない」と維持したい欲求や「もっと点数を伸ばしたい」という向上心が出てきます。人によっては成績がよくなると「なんだ自分って天才じゃん(笑)」みたいに調子に乗って嫌いだった勉強も楽しんで行うようになります。(高校時代の自分のことです笑)

競争心が芽生えて「友達に勝てた!次も勝ちたい!」とか「学年10位以内に入れたから次は1位を目指すぞ!」といった人もいます。

つまり内発的動機づけです。

こうなると指導の仕方を変えます。

私は勉強の進め方について(それってどうなんだろう?と思っても)あまり口を出さずにチャレンジしてもらいます。

チャレンジした結果、点数がどうなったかを自分で振り返り、次に活かすための面談を行います。

ここでも「こうしなさい」といったことはほとんど言いません。

「今回はどうして〇〇がうまくいったんだろう?」

「〇〇の部分で点数取れていないけど、どうしてだろう?」

と質問をします。

生徒自身で考えるきっかけをつくるためです。

こうして自分自身と向き合い、修正点を見つけて、次に向けて計画を立てる。

PDCAサイクルといって

Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)

この4つを繰り返しながら業務の効率を改善する枠組みがあります。

それに近いものかなと思います。

こういったプロセスを経て自分だけの勉強方法を確立していくことができます。

そしてその勉強方法を用いて目標の学校へ合格することで大きな成功体験を積むことができます。

それは社会人になったときにも「うまくいった」という過去の経験は自信になりますし、「あのときできたんだから今回もきっとできる」とより挑戦することができる人間になれると思います。

「高校受験までは私の言うとおりにしていれば〇〇高校へ入れるぞ!」

「〇〇大学へ合格するための勉強法はこれだ!」

(でもその後は知りませんけどね)

みたいな大人は私は面倒見がよいとは思いません。

私は「自分ならできる!」と前向きに何事もチャレンジできる人間を育てていくことこそが本当に面倒見のよい大人であり、そのような先生でありたいと思っています。

投稿者 塾長 平野

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